紅葉狩りにはちょっと遅いかもですが、奥房総にポタリングに行ってきました。素掘りトンネル、チバニアン、養老渓谷、そして開通したばかりの清澄山道ループ橋を見てきました。このあたり、「中房総」とか「奥房総」っていう言い方があるそうですが、自然がたっぷりのイメージで「奥房総」のほうがあってると思います。
今回のルート
今回のルートは、小湊鉄道で飯給駅まで輪行して、清澄山道ループ橋まで行く、約46キロのコースです。
距離は大した事ないんですが、アップダウンが多くて、獲得標高は960mです。特に、養老渓谷から清澄山道ループ橋までが結構きつかったです。私のミニベロは11-42Tの11速スプロケットを付けているので、なんとかいけました。
小湊鉄道で輪行
JRの五井駅まで行って、小湊鉄道に乗り換えです。非電化、単線のレトロな鉄道です。
平日に乗ったのですが、紅葉シーズンだったせいか結構混んでいて、座席は全部埋まっていました。小さく折り畳めるCaracle-Sだったから、さほど目立たずに輪行できましたがロードバイクだったらちょっと目立つかもしれませんね。車両の端から端まで座席があり、JRの一番前の車両みたいに、自転車を置ける広いスペースがないですから。
飯給駅
五井駅から55分で飯給駅に到着です。飯給と書いて「いたぶ」と読みます。小湊鉄道のホームページによると、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国の蝦夷を鎮圧するため同地を通ったとき、住民から飯を献上されたところから名付けられたと伝えられているそうです。
今日もCaracle-Sで走ります!
Toilet in Nature
飯給駅の名物はこの「Toilet in Nature」です。「いちはらArt X Mix」という芸術祭で作られたものだそうです。この中にガラスで囲われたトイレがあります。女子トイレなので私は中には入れません。
隣に一般的なトイレがあるので、みんな普通のトイレを使うでしょうね。でも解放感を味わいながら用を足す、という貴重な体験をするのもいいかも。
柿木台第一トンネル
飯給駅から1.2kmで最初の素掘りトンネルに到着、柿木台第一トンネルです。できたのは1899年(明治32年)推定。
この将棋の駒のような形、古来からの掘削方法「観音掘り」というそうです。
柿木台第一トンネルを抜けると、眼下に田んぼが広がっていました。日本の原風景と出会えました。
柿木台第二トンネル
柿木台第一トンネルから400mほど走ると、柿木台第二トンネルがあります。道が崩れて、しばらく通行止めだったみたいですが、今回は通る事ができました。このトンネルが見た中で一番原始的な感じでした。丸形で、壁もただの土みたいです。全てが曲線で構成されて、アート作品のようにも見えます。トンネル一個一個に個性があるのが面白いです。 建設は1900年(明治33年)
永昌寺トンネル
更に進むと、この通りで3つ目の永昌寺トンネルがあります。このトンネルは入り口がコンクリートで固められていますが、中に進むと将棋の駒のような観音掘りになっています。
このトンネルは142mと見た中では一番長く、通っている時は別の世界に向かっているような、不思議な感覚になりました。壁は岩壁で、何かの映画で見た炭鉱のトンネルのようでした。
飯給駅から自転車なら本当にすぐの所に、3つも味わいのある素掘りトンネルがあります。これはお勧めですね。
森ラジオ
永昌寺トンネルを過ぎて右折して、しばらく走ると月崎駅に着きます。そこに「森ラジオ」があります。これも「いちはらART X MIX」で作られたアート作品です。
作られたのが2014年だそうですから、7年前です。森遊会というグループが管理・維持しているそうです。手をかけないとこのような植物に覆われた建物は維持できないでしょう。
中に入ると、タイムスリップしたような不思議な空間がありました。
昔は、このような大きなラジオ専用機があったんですよね。私は55歳で、物心つく頃はすでにカラーテレビがあった世代ですが、家にこのようなラジオ機があったのを覚えています。懐かしい気持ちになりました。
月崎トンネル
月崎駅から、月崎トンネルという素掘りトンネルを目指しました。「クオードの森」のモニュメントを右折、その後左折するのですが、通行止めの看板がありました。車両は通行止め、という意味と解釈して、どんどん進みました。
林道のような道を進むと、月崎トンネルがありました。今回訪れた中では、一番雰囲気のあるトンネルでした。「ジブリ感」ナンバーワンです。
このトンネルは、途中で天井がなくなっています。過去に崩落してこうなったとの事です。ファンタジー感ありますよねー。平日だった事もあって、誰もいません。聞こえるのは鳥の鳴き声と風の音だけ。しばし雰囲気に浸りました。
台山第二隧道
月崎トンネルから更に進むと、もう一つトンネルがあります。
この短いトンネルを抜けると、広場になっています。
このあたりは「クオードの森」という自然公園で、ハイキングやキャンプもできるのですが、ここからハイキングコースになっているようです。自転車もいけない山道を歩くハイキングも楽しそうですね。
チバニアン
月崎駅のほうに戻って、チバニアンビジターセンターに到着。チバニアンって地質時代の名称で、場所の名前ではないんですね。この場所に、地磁気の逆転を示す地層があって、それに因んで「チバニアン」が地質時代として命名されたという事です。
ビジターセンターに入ると、説明員さんがいて詳しく解説してくれました。
地磁気逆転地層の標本もありました。昔この辺りは海で、海底の砂が積み重なって地層となっていますが、その中の鉄分がその時代の地磁気の方向を記録しているそうです。
ビジターセンターから500mも歩けば、地磁気逆転地層を見に行けます。私はSPDシューズを履いているので、歩きやすいです。
養老川が増水した時に、土が削られてがけ崩れの危険があるとの事で、近くには行けなくなっていました。遠くから眺めるだけです。
地磁気はこれまで何度も逆転しているそうですが、逆転している最中は地磁気はぐちゃぐちゃになって消滅するそうです。地磁気は太陽風(太陽から飛んでくるプラズマ流)からバリアのように地球をを守っているので、地磁気がなくなったら色々な悪影響が想定されるとの事。生物は絶滅していないので大気が吹き飛ばされたりはしないでしょうけど、電子機器が使えなくなったりはするかも。
共栄・向山トンネル
チバニアンビジターセンターから7キロ程走って、養老温泉郷に到着。そこに共栄・向山トンネルがあります。
東側からは向山トンネル、西側からは共栄トンネルというそうです。なぜに一つの名前にしなかった?と思いますが。もともと上の出口しかなかったトンネルを、下に掘り下げたのでこのような二階建てトンネルになったとの事。
中野瀬遊歩道
共栄・向山トンネルを抜けて養老川を渡ると、中野瀬遊歩道に入れます。人が歩いて出てくるので、少し歩いてみました。
この橋?を渡ってくる人もいましたが、私はここで引き返しました。
Big One バーガー
寄り道しまくったので、すでに2時になっていました。お腹がすいて、レストランを探しました。
養老渓谷観光センターにレストランがあります。
この辺りに本店があるBIG ONEバーガーのキッチンカーが出ていました。バイク乗りやサイクリストの間で有名です。
税込みで1600円ぐらいですが、十分その価値はありました。
アメリカに住んでいた頃食べていたハンバーガーを思い出しました。日本ではあんまり食べられないやつです。素晴らしい味でした。これを目的に、またここに来てしまいそうです。
遠見の滝
養老渓谷観光センターで、遠見の滝が見られます。滝という感じはしませんが。これも人力で掘った素掘りトンネルのひとつで、新田開発のため川の経路を変更するトンネルです。トンネルをくぐって向こう側にも行けるそうです。
もみじ谷
栗又の滝とか、まだまだ見どころは多いのですが、今日は清澄山道ループ橋に行きたかったので、先に進む事にしました。4時台には暗くなってしまうので急がねばなりません。
しばらく進むと、「もみじ谷」の看板が見えたので、寄り道する事にしました。
清澄山道ループ橋
もみじ谷から、アップダウンがつづく山道を進むと、ようやく清澄山道ループ橋に到着しました。
このループ橋、20年かかって工事して今年9月に開通したばかりです。あちこちの動画で見かけて通ってみたくなったので今回のルートに入れました。
上のほうは道が新しいのですが、下に行くほどコンクリートの色がくすんできます。下の方は20年前ぐらいに作られたからでしょうね。左側からは海が見えないので、登りなおして海を見ながら走ろうと思ったのですが、結構疲れてしまって諦めました。
安房天津駅より輪行
4時半ごろ、安房天津駅に到着しました。もう暗くなってきています。ちょうど電車が行ってしまい、次の電車まで1時間待ちました。駅前にコンビニもなくて、自動販売機でお汁粉等を飲んで寒さをしのぎました。
奥房総、見どころが沢山あって楽しいサイクリングでした。お勧めのコースです。
距離 46km、獲得標高 960m、走行時間 4時間23分 経過時間 6時間16分 でした。
動画もあります!
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